研究支援の調査(教職員及び学生向け調査)
東邦大学男女共同参画推進センターでは、研究・教育と家庭生活の両立支援として、独立行政法人科学技術振興機構科学技術振興調整費“女性研究者支援モデル事業”に採択された平成21年度から、本学における男女共同参画に関する調査を実施してきました。
このたびは、本学の研究を取り巻く環境を調査し、研究支援や研究支援員の派遣制度の在り方を検討するために、研究支援に関する調査を実施いたしました。
このたびは、本学の研究を取り巻く環境を調査し、研究支援や研究支援員の派遣制度の在り方を検討するために、研究支援に関する調査を実施いたしました。
目的
本学の教員に対して、研究を取り巻く状況や研究環境、また支援として要望する内容を調査する目的で実施した。
方法
東邦大学に在職する教員(H23.5.1現在795名)に対して、メールを配信しインターネット調査への協力を依頼した。質問事項は性別、年代、所属などのデモグラフィック情報と①現在までの研究数、②研究時間が確保できているか、②研究時間が確保できない理由、③研究支援員の派遣制度を知っているか、④研究支援員に希望する仕事内容、⑤研究支援員制度を利用しない理由、⑥参加してみたい研究講座などである。結果は、IBM社のSPSS Statistics 20を用いてクロス集計およびカイ二乗検定を行った。クロス集計表の度数が5未満の場合は、フィッシャー直接確率検定を行った。さらに有意差がみられた場合にはその特徴を把握するため、調整済み残差を算出し検討した。
注1:研究分野や研究者により研究の捉え方は異なるが、本調査では研究数を“取組んでいる研究課題の数”と解釈した。
結果
回答者の属性
平成24年1月18日~2月17日の間で、108名(回答率13.6%)から回答を得た。
調査協力者は、男性68名(63%)、女性40名(37%)であった。40歳代が38%、30歳代が33%と多くを占めている。
調査協力者は、男性68名(63%)、女性40名(37%)であった。40歳代が38%、30歳代が33%と多くを占めている。
研究数および研究時間の確保—年代・性別における違い
年代における研究数の伸び
男女ともに、30歳代では1-5研究が大多数を占める。男性では、40・50歳代では、10研究以上実施した群が1位である。一方、女性では、40歳代では、10研究以上が6名と1位にはなるが、2位の6-10研究と大きな差がなく、男性における30歳代と40歳代の差ほどの違いは見られない。また50歳代では1-5研究が1位となっており、年代が上にあがるにつれ、研究数が増えるという傾向はみられない。
男女ともに、30歳代では1-5研究が大多数を占める。男性では、40・50歳代では、10研究以上実施した群が1位である。一方、女性では、40歳代では、10研究以上が6名と1位にはなるが、2位の6-10研究と大きな差がなく、男性における30歳代と40歳代の差ほどの違いは見られない。また50歳代では1-5研究が1位となっており、年代が上にあがるにつれ、研究数が増えるという傾向はみられない。
性別ごとの研究数
男性の半数(51%)は10研究以上に携わる一方、女性の40%は1-5研究であり、10研究以上に関わったのは25%に留まっている。
男性の半数(51%)は10研究以上に携わる一方、女性の40%は1-5研究であり、10研究以上に関わったのは25%に留まっている。
研究時間の確保と確保できない理由
「研究時間が十分に確保できているか」という質問には、男性の80%以上、女性の90%以上が「いいえ」と答えており、年代による違いはみられなかった。全体として研究に十分に時間を割くことができない現状が指摘される。また、研究時間の確保の有無は性別によって違いがみとめられ、女性研究者においては、「はい」と答えたのは1名(2%)であり、男性の11名(16%)と比較すると非常に少なかった(χ2=4.770, df=1, p<.05,Fisherの直接法p<.05)。
「研究時間が十分に確保できているか」という質問には、男性の80%以上、女性の90%以上が「いいえ」と答えており、年代による違いはみられなかった。全体として研究に十分に時間を割くことができない現状が指摘される。また、研究時間の確保の有無は性別によって違いがみとめられ、女性研究者においては、「はい」と答えたのは1名(2%)であり、男性の11名(16%)と比較すると非常に少なかった(χ2=4.770, df=1, p<.05,Fisherの直接法p<.05)。
次に「研究時間が十分に確保できない」という質問に「いいえ」と答えた群に、確保できない理由について尋ねたところ、男女ともに一番多い回答は「診療・教育に時間が割かれる」(男性:63%、女性45%)であった。男性研究者では次に多い理由として「診療・教育以外の雑務に時間が割かれる」(28%)が挙げられたが、女性研究者では「育児・介護・家事などプライベートに時間が割かれる」が2番目に多い理由として挙がった(χ2=6.325, df=2, p<.05)。
さらに、年代によっても研究時間が確保できない理由に違いがみられた。男性研究者は60歳代を除いた全ての年代で「診療・教育に時間が割かれる」が一番多い理由である。一方、女性研究者では30歳代では「育児・介護・家事などプライベートに時間が割かれる」が一番多く、40歳代になると「診療・教育に時間が割かれる」が多くなる。さらに50歳代では「診療・教育以外の雑務に時間が割かれる」が多くなっており、女性研究者において研究時間が確保できない理由に年齢やライフイベントが関係していることが推察される。
研究支援員の派遣制度について
研究支援員の派遣制度の利用に関して
「研究支援員の派遣制度を知っていますか」という質問に関しては、男性の40%、女性の73%が知っていると答えた。男性研究者では、68%が「今後も利用も予定はない」と回答する一方、33%が「今後利用したい」と回答している。女性研究者では、現在利用中の研究者も含めて51%が「利用している」、「今後利用したい」と回答している。
「研究支援員の派遣制度を知っていますか」という質問に関しては、男性の40%、女性の73%が知っていると答えた。男性研究者では、68%が「今後も利用も予定はない」と回答する一方、33%が「今後利用したい」と回答している。女性研究者では、現在利用中の研究者も含めて51%が「利用している」、「今後利用したい」と回答している。
研究支援員に希望する仕事内容
研究支援員を利用した、もしくは利用する可能性がある場合に、どのような仕事を希望するかを聞いたところ、男性研究者では「実験補助」「データ入力」が多く、女性研究者では、「データ入力」「文献検索」という要望が多かった。希望する仕事内容は学部によっても違いがみられ、携わる研究の種類にも差があることが関係していると考えられる。
研究支援員を利用した、もしくは利用する可能性がある場合に、どのような仕事を希望するかを聞いたところ、男性研究者では「実験補助」「データ入力」が多く、女性研究者では、「データ入力」「文献検索」という要望が多かった。希望する仕事内容は学部によっても違いがみられ、携わる研究の種類にも差があることが関係していると考えられる。
研究支援員の派遣制度を利用しない理由
研究支援員派遣制度を利用しない理由としては、男女ともに「支援対象ではない」が一番多く挙げられた。次いで「制度の内容がわからない」が挙げられた。
研究支援員派遣制度を利用しない理由としては、男女ともに「支援対象ではない」が一番多く挙げられた。次いで「制度の内容がわからない」が挙げられた。
参加してみたい研究講座(複数回答)
研究を進めるうえで、参加してみたい研究講座では、男女ともに、「統計講座」が一番多く、次いで「英語論文の読み書き講座」「研究資金獲得セミナー」が挙げられた。