2023年12月13日開催 2023年ノーベル賞解説セミナー
※所属・肩書はセミナー当日を基点としています。
ノーベル生理学・医学賞(35分)


今回の生理学・医学賞はCOVID-19を連想することからとてもインパクトがあったと思います。ところが、「メッセンジャーRNAからタンパク質ができる」というあまりに当たり前すぎて、周囲から科学的価値を理解されないところからのスタートでした。カリコ博士とワイスマン博士は当たり前に磨きをかけ、いくつもの課題をクリアしました。本セミナーでは、コピー機前での出会いが20年後の大逆転に至った経緯をご紹介します。
講師:東邦大学 医学部免疫学講座 准教授 桑原卓 氏
ノーベル物理学賞(40分)


物質を構成する最小単位は原子で、原子を構成するのが原子核と電子です。その電子は10-18s、すなわちアト秒オーダーで動いており、大きさは10-10m(1nmよりもさらに1桁小さい!)に相当し、従来手法では電子の動きを正確に見ることはできません。そこで超高速なシャッターとして登場したのが「アト秒光パルス」です。
本セミナーでは、高次高調波の発生からアト秒パルスの測定、およびアト秒レーザーの応用先まで紹介します。
本セミナーでは、高次高調波の発生からアト秒パルスの測定、およびアト秒レーザーの応用先まで紹介します。
講師:東邦大学 理学部物理学科 講師 中嶋善晶 氏
ノーベル化学賞(30分)


物質をナノメートルサイズまで小さくすると、そこには量子力学の世界が広がり、目に見える大きさの物質とは異なる性質が発現します。今年のノーベル化学賞の受賞理由である“量子ドット”は、そのような量子力学に基づいた物性が発現する代表的な物質です。本セミナーでは、量子ドットの持つ発光特性を中心にその魅力を伝えつつ、受賞者の業績を紹介します。
講師:東邦大学 理学部化学科 准教授 桒原彰太 氏