2024年12月16日開催 2024年ノーベル賞解説セミナー
※所属・肩書はセミナー当日を基点としています。
ノーベル生理学・医学賞(34分)


miRNA(マイクロRNA)はタンパク質をコードしない細胞内に存在する多様な短い非コードRNAの総称で、生命現象に影響を与えない単なるゴミだと考えられていました。しかし、実際は様々な遺伝子発現制御に普遍的に関わることが明らかになり、生命科学の基本概念を再定義し、がんや神経変性疾患などの治療法に大きな影響を与えました。発見経緯とその波及効果に関して、miRNAの発見がもたらしたインパクトを紹介します。
講師:理学部 生物分子科学科 講師 鹿島 誠 氏
ノーベル物理学賞(25分)


今回のノーベル物理学賞「人工ニューラルネットワークによる機械学習を可能にした基礎的発見と発明」は、情報学分野に関係する受賞で話題になりました。物理学者のホップフィールドが提案したネットワークによる連想記憶の仕組み、ヒントンが提案したボルツマンマシンと統計力学分野の関連性、それらを基礎として現在のディープラーニングが可能になるまでの流れを紹介します。
講師:理学部 情報科学科 教授 数藤 恭子 氏
ノーベル化学賞(36分)


2024年のノーベル化学賞受賞者の研究は、従来のタンパク質構造解析に比べ、はるかに迅速かつ効率的に、新たなタンパク質を設計したり、既知のタンパク質の構造を予測したりすることを可能にしました。この技術は、創薬や素材開発など、幅広い分野に革命をもたらす可能性を秘めています。特に、コンピューターによるタンパク質設計は、オーダーメイドの酵素や、新しい材料の開発など、従来では考えられなかったような可能性を開いています。
講師:理学部 生物分子科学科 准教授 後藤 勝 氏