文部科学省 研究ブランディング事業
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東邦大学 医学部研究推進室
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開会の辞/ブランディング事業概要説明

開会の辞 東邦大学学長 山﨑純一


平素より本事業ならびに東邦大学の教育・研究・診療に多大なるご協力・ご支援を頂きありがとうございます。また、本日はご多用のところ本シンポジウムにご参加賜り厚く御礼申し上げます。
文部科学省平成28年度「私立大学研究ブランディング事業」に採択されました本学の全学的共同研究プロジェクト「上皮バリア機構の不全により生じる疾患の克服を目指したブランディング事業」もおかげさまで3年度目を迎え、着実に成果を積み上げてきております。その成果について国内の研究者の皆様および区民のみなさまに広くご紹介する場として、本シンポジウム「オール東邦大学で挑む上皮バリア研究 BenchからBedsideへ」を企画いたしました。
本シンポジウムでは、招請講演といたしまして京都大学大学院医学研究科 教授 椛島健治先生と東京大学定量生命科学研究所 教授 新蔵礼子先生に上皮バリア研究の最先端をご紹介いただくほか、本学大学院医学研究科・理学研究科・薬学研究科の各事業参加メンバーによる成果報告を行うこととしております。

ブランディング事業概要説明 プロジェクトリーダー 中野裕康(医学研究科)


シンポジウムに先立ち、事業の概要について簡単にお知らせいたします。

事業目的:

本事業では、外部環境と体内を隔てる上皮、すなわち表皮(皮膚)、消化管上皮、気道上皮のバリア機構を向上させるための多角的な研究を行います。そして得られた知見をもとに、外部環境因子と体内環境因子の共存・調和を図ることで新しい視点に立った予防的医療の概念を構築し、国内外の学術界や地域の皆様をはじめとして全世界に向けて発信していきます。

現在の進捗状況:
表皮バリアグループでは、ヒトの様々な皮膚疾患における皮膚乾燥状態と相関の高い機器測定値を明らかにし、皮膚バリア機構低下に関するマーカー探索を進めています。さらに、刺激性接触皮膚炎マウスモデルを構築し、抗酸化物質による治療効果の検証を継続しています。また、皮膚バリア機構低下を改善するための薬剤を微生物により生産する研究を行っています。皮膚での感染防御に関与する免疫系の機能についても研究を進めています。
消化管上皮バリアグループでは、ヒト新生児腸炎のモデルマウスを作製したほか、ヒト検体を用いて大腸癌の進行に関連すると予想される分子を複数同定しています。これらの成果を組み合わせて、炎症疾患ががんに進展していくメカニズムを明らかにしていきます。
気道上皮バリアグループでは、各種肺炎マウスモデルを作製し、慢性化の機構を研究しています。さらに、微生物の気道への感染メカニズムについても検証を続けています。
これらの成果・経過を基に事業開始から現在までに76報の英文論文を発表し、国内外での学会発表も多数行っています。また本事業の広報活動専用のWebサイト運営や、区民公開講座の開催や大学におけるオープンキャンパスでの講演等、アウトリーチ活動にも力を入れています。
以上の活動を円滑に進め、事業のより一層の発展を促すために、「生体防御基盤研究センター」を設置し、円滑な学内共同研究体制の整備を行っています。また、自己点検体制や学内外の評価委員による評価体制も整備したほか、東邦大学では初めての研究支援専門職であるリサーチ・アドミニストレーターの雇用も行いました。学外研究者を招いての「生体防御基盤研究セミナー」の定期的な開催や、合宿研修など、事業担当研究者たちの交流・研鑽に資する活動も展開しております。
 今後も、より一層の事業推進と学術界ならびに地域の皆様への情報発信に努めてまいります。引き続きご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。