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ブランディング事業メンバー講演4
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ブランディング事業メンバー講演4
上皮バリア破綻機構の解明を目指したマウス感染症発症モデルの構築
医学研究科 木村聡一郎
講演要旨
感染症の発症には、病原体の感染部位への付着・侵入が重要となるが、呼吸器、腸管、皮膚、口腔内などには病原体を含む様々な微生物により常在菌叢が形成されており、感染を起こすことなく各部位に定着している。このように、宿主上皮バリア構造と常在菌との間では平衡状態を保っているが、宿主免疫能の低下などにより感染に対して易感受性になると、常在菌の一部による感染症を発症することとなる。外因性感染を中心とした感染症発症後の病態解析については多くの検討がなされており、本研究グループにおいても緑膿菌性肺炎、レジオネラ肺炎、クロストリジウムディフィシル腸炎などにおいていくつかの知見を得ている(Kimura et al. J Infect Chemother 2017、Kajiwara et al. J Immunol 2018、Nakagawa et al. J Med Microbiol 2016)。
一方、常在菌等の保菌が原因となる内因性感染については、その動物実験モデルも含めて検討例が少ないのが現状である。これまでに、本研究グループによって肺炎球菌を鼻咽腔に保菌したマウス実験モデルを構築しており、これを利用した感染症診断薬の開発・提案を行っている(Sawa et al. J Clin Microbiol 2013)。肺炎球菌感染症の多くが鼻咽腔に保菌した肺炎球菌によって引き起こされることが知られていることからも、この動物実験モデルを応用して保菌から発症までの過程を検討することにより、臨床病態を反映させた病態解析が可能となる。
本シンポジウムでは、この保菌モデルを利用したインフルエンザ後の二次性肺炎球菌性肺炎に対する肺炎球菌結合型ワクチンの関与を中心に、現在までの研究成果を報告する予定である。
一方、常在菌等の保菌が原因となる内因性感染については、その動物実験モデルも含めて検討例が少ないのが現状である。これまでに、本研究グループによって肺炎球菌を鼻咽腔に保菌したマウス実験モデルを構築しており、これを利用した感染症診断薬の開発・提案を行っている(Sawa et al. J Clin Microbiol 2013)。肺炎球菌感染症の多くが鼻咽腔に保菌した肺炎球菌によって引き起こされることが知られていることからも、この動物実験モデルを応用して保菌から発症までの過程を検討することにより、臨床病態を反映させた病態解析が可能となる。
本シンポジウムでは、この保菌モデルを利用したインフルエンザ後の二次性肺炎球菌性肺炎に対する肺炎球菌結合型ワクチンの関与を中心に、現在までの研究成果を報告する予定である。